

患者さんとご家族の声
酵素補充療法の登場によって変化した生活と、それでも足りなかったもの

- 日本において1998年にライソゾーム病(ゴーシェ病)に対する酵素補充療法(ERT)が登場してから27年が経つ。対症療法含む治療がどんどん進歩し、長生きできるようになった、一方症状は完治せず徐々に悪化の一途をたどり余病を発症したりする。年齢を重ねながらの療養生活は困難さ、不自由さを強いられることが多くなってきている。定期的な通院は、就学就労において困難さを伴うなど患者の負担となることは課題の一つとなった。
また、通院の負担は大きく、通院することが出来なくなることで亡くなった方の話を耳にすることも多くなってきた。
世界と比較して気づいた、在宅治療という光
- ERTを自宅で実施できないだろうかと、海外の団体とも協力し世界で行われている在宅ERTの実態と、日本での障壁について調査を行った(FIN: ファブリーインターナショナルネットワーク参加患者団体46団体を対象としたグローバルサーベイ)。
その結果、欧州の一部の国では在宅ERTが進んでおり、バカンス先などの自国以外でもERTをして患者が自由に暮らしている様子に驚き、治療中心ではない生活が可能なことは驚愕の事実であった。
まずは、日本でも在宅ERTについて取り入れるために整備を急いで進めなければと感じた。
在宅酵素補充療法のためには、社会を変える必要があった
- 海外の治療体制と比較したことで、日本では「保険医が投与することができる注射薬」のリストにERTの薬剤が含まれていないことに気づくことができた。希望する患者が在宅ERTを受けられるよう行政にも働きかけ法整備などを進めていったが、医療資源や制度上の高い壁があった。コロナ禍という状況もあり、ライソゾーム病治療薬(8疾患11製剤)が令和3年3月6日より厚生労働大臣が定める「保険医が投与することができる注射薬」の対象薬剤となったことは、治療と医療の両立支援の観点からも治療の在り方を見直す第一歩となった。
※この内容は2026年6月時点のものです。