酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD)とは?

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ASMDの3つのタイプ

酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD)は、神経症状があるかどうか、発症時期、症状の進行スピードによって、乳児期発症の内臓神経型ASMD(NPD-A型)、慢性内臓型ASMD(NPD-B型)、慢性内臓神経型ASMD(NPD-A/B型)の3つのタイプがあります。
乳児期発症の内臓神経型ASMD(NPD-A型)
生後早い時期に症状が現れます。生後2~4カ月ごろから肝臓や脾臓<ひぞう>が大きくなり、お腹がふくれます。生後6カ月以内に、肺感染症にかかる、ミルクを吸う力が弱い、頻繁な嘔吐、些細なことで不機嫌になる、夜泣きやぐずってなかなか眠らないなどの症状が現れます。生後6~9カ月に筋肉がやわらかい、抱きかかえたときに手が垂れ下がるような症状がみられます。症状は急速に進行し、神経や内臓などに重い症状が現れます。
慢性内臓型ASMD(NPD-B型)
小さな子どもから大人まで幅広い年齢で症状が現れます。肝臓や脾臓が腫れてお腹がふくれてきたことをきっかけに見つかることが多く、咳や息切れがみられることもあります。身長は平均よりも低いことが多いです。HDLコレステロールの値が低く、総コレステロールやトリグリセリド、LDLコレステロールの値が高い脂質異常がみられます。出血しやすく、血が止まりにくくなり、貧血もみられます。背中や手足に痛みを感じることもあります。症状は患者さんによってさまざまで、比較的ゆっくり進行します。
慢性内臓神経型ASMD(NPD-A/B型)
慢性内臓神経型ASMD(NPD-A/B型)は乳児期発症の内臓神経型ASMD(NPD-A型)と慢性内臓型ASMD(NPD-B型)の中間に位置します。小さな子どもから大人まで幅広い年齢で症状が現れます。慢性内臓型ASMD(NPD-B型)と共通する症状のほかに、筋力の低下、けいれん、手足のつっぱりや筋肉のこわばりなど、患者さんによってさまざまな程度の神経症状がみられます。
酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症:ASMD(Acid Sphingomyelinase Deficiency)
ニーマン・ピック病:NPD(Niemann-Pick disease)
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