ライソゾーム病はどんな病気?
- 私たちの体の細胞は、生きていくために必要な成分やエネルギーを毎日つくり出しています。一方で、いらなくなったものは、細胞のなかの「ライソゾーム」という小器官<しょうきかん>で分解され、排出されます。
- ライソゾームには、たくさんの種類の「酵素」と呼ばれるたんぱく質が含まれており、これらの酵素が、いらなくなった脂質や糖質などを分解します(図1)。なお、ライソゾームは「リソゾーム」や「リソソーム」と呼ばれることもあります。
図1 細胞内のライソゾーム
- ライソゾーム病は、ライソゾーム内で機能する酵素の働きがなかったり、弱くなったりしているため、分解されるべきものが体の中(細胞)にたまる病気です。このため、細胞がうまく働かなくなり、体のさまざまな部分に症状が現れます。
- ライソゾーム病は足りない酵素の種類によって病気の名前が異なり、それぞれ症状の出方や進行の仕方が異なります。ライソゾーム病を有する人の割合は新生児の約7,700人に1人といわれています1)。
- ライソゾーム病は国の社会保障制度で指定難病や小児慢性特定疾病(18歳未満)に指定され、医療費助成制度等の対象となっています。
- 1) Meikle PJ et al. JAMA 281:249-254, 1999