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患者さんとご家族の声

ハートはあったかい~ポンペ病の息子のために~ 吉田さんの息子さん、彩芽(あやめ)君は5歳のときにポンペ病と診断されました。まだ幼く、また自閉症を併せ持つ彩芽君に病気のことを理解してもらい、治療の大切さを認識してもらうために吉田さんが考えたのが、彩芽君のための絵本を描くことでした。彩芽君と共に成長し、強くなってきたと語る吉田さんに、彩芽君の母親として経験したこと、感じたこと、そしてこれからのことについてお話を伺いました。 ポンぺ病患者会 副会長 吉田 香澄さん

健康が当たり前だと思っていた、我が子の誕生 ―願いを込めて、“彩芽”と命名

息子が生まれたとき、医師からは「健康に問題なし」と言われました。そのときは、元気で生まれてくることが当たり前だと思っていたので、ごく普通に子どもの誕生を嬉しく思うだけで、そのことについて特に深く考えませんでした。
誰もが幸せの芽をもって生まれてくるなか、この子が天真爛漫に自分らしく生きることで、彼自身、そして彼の人生に関わる人々が、その人なりに自分らしく生きることを見つけてくれる、それぞれに色とりどりの花を咲かせることができるような、そんな関わりのできる子になってほしいという願いを込めて、“彩芽”と名付けました。

5歳でポンペ病と診断 ―ようやくスタートラインに立った

彩芽が1歳になった頃、言葉の遅れなどを感じるようになり、1歳6ヵ月児健診のときには、知的障害があること、自閉症かもしれないことを言われました。そして、3歳のときにその診断が確定して、大学病院を受診することになりました。その頃には、他の子のように走り回ったり、飛び跳ねたりしないことに気づいていましたが、それが知的障害からくるものなのか、あるいは運動機能の障害からくるものなのかの判断はつきませんでした。
大学病院では、それまでの経過と血液検査の結果から、筋ジストロフィーの疑いがあると言われました。それからの2年間は、彩芽が転んだりするたびに筋ジストロフィーかもしれないと不安になる日々でした。
5歳の頃には、手すりにつかまらないと階段を上れないような状態になりました。さまざまな検査をしましたが原因は分からず、あとは筋生検をしてはっきりさせるかどうかだと言われました。そこで、小学校の入学を前に、この先の進路を決めるためにも原因を明らかにした方が良いと考え、筋生検を受けることにしました。
そして、その結果、初めてポンペ病と診断されたのです。それまでは、原因が分からず不安でしたが、今にして思えば、このときようやくスタートラインに立ったのだと思います。
※筋ジストロフィーとは、進行性に筋肉がやせていき、筋力が少しずつ弱くなる遺伝性の病気の総称です。
発症年齢や症状などから、さまざまなタイプ(病型)に分けられています。