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患者さんとご家族の声

ポンペ病は、乳幼児の病気だと思われることが多いですが、あらゆる年齢で発症する疾患です。発症時期の違いにより、乳児型、小児型、成人型の3つのタイプがあります。Kさんは、30代の時に成人型ポンペ病と診断され、当時は治療法がなかったため、日本でできるだけ早く治療薬を使えるようにするための活動に尽力されました。今も治療と仕事との両立を続けていらっしゃいます。そんなKさんに、診断までの経緯や治療について、お話を伺いました。

内科から整形外科、そして神経内科へ ―診断までの経緯

私が最初に病院に行ったきっかけは、職場の定期健診で毎年、肝機能を示す数値が悪いことを指摘されたからです。自覚症状は何もなかったのですが、学生時代から検査のたびに指摘されていたので、とうとう職場に近い総合病院の内科を受診しました。そこで診断された疾患名は「肝炎」でした。しかし、ウイルス性でもなく、脂肪肝でもなく、私はお酒を飲みませんのでアルコールが原因でもありません。結局、原因は分からないけれども肝炎の治療を受け、食事に注意するよう言われ、経過をみることになりました。
でも、そのまま3年ほどが経過するうちに、徐々に筋力が落ちてくるのを実感するようになってきたのです。まず階段を上るのがきつくなり、やがて椅子から立ち上がるのにも手をついて支えるようになりました。通院していた内科の先生にその症状を伝え、もしかしたら筋肉に問題がないか聞いたのですが、筋肉の病気だったらもう歩けなくなっているはずですと言われました。しかし、筋力がますます低下してきたので、1998年の6月頃、セカンドオピニオンとして、職場から2番目に交通の便のよい別の総合病院の整形外科を受診しました。
整形外科を訪れたのは、病院に事前に電話で「足の動きが悪くなったような場合、どの科で診てもらえばよいでしょうか?」と質問したところ、整形外科の受診を勧められたためです。整形外科では骨や関節に問題がないことが分かり、筋肉の病気だとすれば神経内科で診てもらってくださいということで、電話帳で調べて市内の神経内科クリニックを受診しました。筋肉に問題があるかどうかを確認するために、血液検査でクレアチンキナーゼ(CK)という酵素の値を調べました。ここで初めて筋肉の病気である可能性が高いと言われ、大学附属病院の神経内科へ紹介されたのが同年7月のことです。そして、仕事の都合で夏休みがとれる8月に2週間ほど検査入院し、筋生検や酸性α-グルコシダーゼ酵素活性測定の結果から、ようやくポンペ病と診断されました。

当時は治療法のない「じっと待つしかない」病気 ―ポンペ病と診断されて

ポンペ病という病名は、診断されたときに初めて聞きました。私のように大人になってから症状が出て、ゆっくり進行するタイプは、これからもゆっくり進行するので急に悪化することはないだろうと医師は言ってくれたのですが、その時点では治療法のない病気でしたので、正直なところ、気休めの言葉としか思いませんでした。当時はまだ手すりを使わずに階段を上り下りできるくらいは動くことができましたので、この先、悪くなるのだろうけれども、治療法はないのだから、今はもうじっと待つしかない、そんな感じでした。
そんななか、2001年に「ポンペ病患者会」が立ちあがり、患者会の方たちと連絡をとり始めました。そのおかげで、それまで患者である私と主治医の間で完結していた世界が大きく広がりました。ポンペ病に関する情報を調べていると、海外の文献では、成人型のポンペ病は30~40代で呼吸不全のため死に至る場合が多いと書かれたものがありました。すでに40歳に近かった私は、「あと5~6年なのかな…」と思っていたのですが、今だから言えるのですが、患者会で50代の患者さんと出会い、少し安心することができました。