ライソゾーム病とは?

ライソゾーム病の種類

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足りない酵素によって分類

ライソゾーム病は、どの酵素の働きが足りないかによって病名が異なります。現在、ゴーシェ病、ファブリー病、ポンペ病、ムコ多糖症、酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD) など、50種類以上のライソゾーム病が知られています1)。このサイトでは、5つの病気について詳しく紹介しています。
ゴーシェ病
グルコセレブロシダーゼという酵素の働きがなかったり、弱くなったりしていることで、グルコセレブロシドという物質が分解されにくくなります。お腹が膨れる、赤血球や血小板の減少、貧血、骨症状のほか、けいれん、発達の遅れ、斜視<しゃし>、口を開けにくい、喘鳴<ぜんめい>などの症状が現れることもあります。
ファブリー病
α-ガラクトシダーゼ(α‐GAL)という酵素の働きがなかったり、弱くなったりしていることで、グロボトリアオシルセラミド(GL-3)という物質が分解されにくくなります。手足の痛みや汗をかきにくいといった症状や、心機能障害<しんきのうしょうがい>、腎機能障害<じんきのうしょうがい>、脳血管障害<のうけっかんしょうがい>などが現れます。
ポンペ病(糖原病Ⅱ型<とうげんびょうにがた>)
酸性α-グルコシダーゼという酵素の働きがなかったり、弱くなったりしていることで、グリコーゲンという物質が分解されにくくなります。骨格を支える筋肉や呼吸に必要な筋肉の力が弱くなり、体重が増えにくい、心臓の働きが悪くなるなどの症状が現れることもあります。
ムコ多糖症
ムコ多糖(グリコサミノグリカン)と呼ばれるものがうまく分解できず、体にたまることで全身にさまざまな症状が現れる病気です。体の中でムコ多糖を分解する酵素は10種類以上あり、酵素の違いによってムコ多糖症Ⅰ型、Ⅱ型など7つの型があります。よくみられる症状は、生後6ヵ月くらいまではもうこはんが広範囲にみられる、中耳炎をくり返す、でべそなど、1歳以降はお腹のふくらみがある、大きないびきをかく、発達の遅れなどがあります。
酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD)
酸性スフィンゴミエリナーゼという酵素の働きがなかったり弱いため、スフィンゴミエリンと呼ばれるものがうまく分解されずに体にたまることで、さまざまな症状が現れる病気です。お腹のふくらみ(肝臓や脾臓が大きくなる)、息苦しさ、肺炎、貧血などの症状があります。
  • 1) ライソゾーム病―最新の病態、診断、治療の進歩―, 衞藤義勝編, 診断と治療社, p2, 2011
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